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自動車旅行への招待/マクラーレンGT─箱根

POST : 2021.11.18
V8ツインターボサウンドを奏でながらワインディングロードを駆けるマクラーレンGT。伝統に則って軽量高剛性なカーボンモノコック「モノセルII-T」を採用。接地感溢れるハンドリングと、620ps/630Nmを発するV8ツインターボは、GTではあってもマクラーレンならではのドライバー・エンゲージメントを実現している。

最強のグランドツアラーは、特別な被写体でもあった

10年前、マクラーレンMP4-12Cに衝撃を受けたという松任谷正隆は、技術の粋を集めたグランドツアラーにどのような印象を抱くのか。自慢のカメラを携えて、箱根というクルマ好きの聖地を行く。

現在マクラーレンGTをご成約頂いたお客様に、極上のクルマ旅をプレゼントするキャンペーンをおこなっております。
詳細は以下リンクよりご確認ください。

本文で松任谷さんが書いている通り、マクラーレンGTは目線の高さ、もしくはそれ以上のアングルから見るのが一番美しい。Namaka blueと呼ばれるボディカラーがフォルムを引き立てる。全長は720Sに比べ140mm長く、それが優雅なフォルムを生み出すことに貢献している。

そうだ、撮影旅行に出かけよう!

マクラーレンGTと素敵な小旅行をして記事を書いてくれ、と依頼を受けた。そこはクルマ好きの性。もちろん行きますとも、と即答した。即答しながら大丈夫かな……と不安にもなった。いや、コロナのせいじゃない。以前CGTVでちょい乗りをして、GTにあまりいい印象がなかったのだ。というよりよく分からなかった、という方が正しい。よく分からないでオンエアなんてするなよ、なんて言われそうだけど、こればかりは仕方ない。借りている時間だって限られているし、僕が占有走行できるわけでもないし。以前乗った12Cの衝撃があまりに大きすぎたせいかもしれない。いやいや今回は長く乗っていていいんですよ、良かったら1週間でもそれ以上でも、という。なるほどね、リベンジに絶好の機会だ。

それにしてもマクラーレンでどこへ行ったらいいのだろう。いろいろと考えた。金沢あたりの老舗の温泉宿なんかはマクラーレンに似合いそうだ。でも外に停めておいて、いたずらとかは大丈夫なのだろうか。朝起きたら子供達が群がっていたって不思議はない。いたずら小僧が屋根に乗って……なんて考えるとこれはやめた方が良さそうだ。それに大きな県またぎは心情的にまだ気が引ける。

ならば近場のお洒落なレストランにかみさんと乗り付ける、というのはどうか? 周囲のイメージは、我々は日常的にそんなことをやっていると思うに違いない。でもそれはとんだ的外れだ。我々は、というよりも僕はできるだけかみさんを自分のクルマに乗せない。彼女は人のクルマに乗るとすぐに寝るし、テスラをトヨタだと思っているし、とびきりなレストランに行ってもリアクションは薄いし……想像すればするほどマクラーレンに申し訳ない結果が見える。

で、ふと思いついた。そうだ! マクラーレンを撮影しに行こう! クルマ撮影のプロにクルマの撮り方を教えてもらおう! 先生はCG OBの小林稔カメラマンにしよう! そして撮影場所は今年何度も通った彫刻の森美術館にしよう!

というわけでマクラーレンGTがうちにやってきた。3台入るガレージから1台を追い出し、マクラーレン様の場所を確保。バックでちゃんと停められるかどうか心配だったが、案外簡単にクリア。あたりまえだ。ペーパードライバーじゃあるまいし、こんなことができなくてどうする。そしてつくづく眺める。まあ平べったいというか、薄べったいね。他のクルマと並べてみると明らかに低い。そして全長も想像していたよりもずいぶん短い。単体で見るときとはずいぶん印象が違う。これがスーパーカーというものなのか(古い!)。

GTのハイライトは、このルーフからリアにかけて伸びる長くて穏やかなカーブなのだろうか。リアウィンドーの長さといったら尋常ではない。ふむふむ、ここに何かを映り込ませて撮るのもいいかもしれない。何度も何度もクルマの周りをグルグルと回る。

ま、でも撮影現場に行ってから、その日の気分とアドリブで何かは思いつくだろう。それに今回は僕の写真がメインじゃない。僕のミッションはマクラーレンにとって素敵な企画を実行することにある。

彫刻の森美術館 THE HAKONE OPEN-AIR MUSEUM
神奈川県足柄下郡箱根町二ノ平1121 ☎0460-82-1161 https://www.hakone-oam.or.jp
入館料:一般1600円、大学生・高校生1200円、中学生・小学生800円
開館時間 9:00〜17:00(年中無休、入館は閉館の30分前まで)

風流、なんて言葉が似合う

そして当日。僕はマクラーレンGTの小さなキーを取り、おもむろに乗り込んだ。平べったいだけあって低い。サイドシルはけっこう広くて、この薄いベージュのトリムを汚さないようにするためには、いったんサイドシルに座り、それから両足を持ち上げてレッグルームに運ぶ。これは広報車両だけど、自分の所有車であっても毎回こうやって乗り込むのだろうな。そしてそのしきたりも、こういうクルマを所有する醍醐味のひとつでもあるのだろうな。がっしりと硬い骨組みのシートに腰をかけると、まるで自分の背骨のカーブを知り尽くしているかのようなピッタリ感だ。レーシングカーのオートクチュールシートか、と思うほど。さすがにマクラーレン。他のメーカーとはひと味もふた味も違う。そしてどこかから漂ってくる高級なレザーの香り。一晩くらいこのシートの上に固まって過ごしてもいいかな、という気にさせられる。

シート調整はセンターコンソール寄りのシートサイドにあるスイッチを手探りで操作するのだが、独特の形状のためか、過去に何度乗ってもちゃんと動かせたためしがなかった。今回のミッションのひとつに、これを軽々と操作できるようになる、というのがあって、さすがに何日間か我が家にあったためにできるようになったのは嬉しかった。なんだかマクラーレンに一歩だけ近寄れた気がした。

センターコンソール上の赤いスタートボタンを押すと、一瞬獰猛な音で吠えたかと思うと、静かなアイドリングを始める。さて、箱根、である。毎週のように通っている箱根なのに、今日ばかりは冒険旅行のようだ。アクセルをちょっと踏んでサイドブレーキをリリースし、いざガレージを出発。ガレージ前の段差を踏み越えるときに、まず、おやっと思う。ドスンと乗り越えるのではなく、するっと乗り越えるのである。こんなだったかな……などと過去の印象を頭の中にロードしてみる。まあ、番組取材のときはいきなり箱根の山の中で、それも低速走行したのはほんの数メートル。料金所を越えれば豪快な加速を試すに決まっている。だからこんな動きの記憶は、あったとしても頭の中にセーブできていなかったに違いない。結局今回、高速道路に乗るまで1kmほどの一般道で、GTの印象は大きく変わることになった。これは極めて乗り心地のいい、それもプロアクティブシャシーのそれとは違う、ゆったりとしたクルーザーのような動きを伴ったスポーツカーだ。しかしどんなに低速でもレーシングカーメーカーであることが垣間見られるのがブレーキのフィーリングで、このがっしりとした踏みごたえは、これまた他のメーカーには見られないものかもしれない。つまり、レーシングスピードでは蹴飛ばすように踏みたくなるタイプのブレーキだ。

高速道路を駆け上がるといつもより交通量が多い。なるほど、今日は連休の最終日なのだ。

ペースは普段よりもちょっと遅いけれど流れはしている。よし、この際よく観察してみようではないか。ステアリングは……動きが実にスムーズで軽い。そしてけっこうキックバックを伝えてくる。サーキットなどでは頼りになるインフォメーションかもしれない。いや、そうに違いない。直進性は抜群、と言っていいだろう。キックバックは大きめなのに手放しもできてしまうという不思議。高速道路では、たいていが1000rpmから2000rpmの間。2000rpmちょっと下のあたりに低音の倍音が共鳴するところがあって、ブーンと鼓膜を揺らす。それがいやならパドルを引いて一段落とせば籠もった音はあっという間になくなる。乗り心地はやはり独特のものだ。ものすごく締ったボディに少し緩められたサスペンションのハーモニーというわけだが、当初感じられていた船のような動きはだんだん感じられなくなっていくのが不思議だった。それはもちろん、こちら側の慣れのせいだ。センターコンソールのダイアルをひとつ回して足を硬くすると、まあ、こっちの方がこのてのクルマに合っているような気もするが、この柔らかい方こそがこのGTのGTたる所以だ、ということに気づいて戻すといった具合。

横浜青葉を過ぎたあたりで案の定渋滞が始まった。マクラーレンに乗っている自分。誇らしいような恥ずかしいような。この歳になってもまだクルマに気合い負けはするようである。できるだけ周囲の視線を見ないようにちょっと下を向いたりして……。

渋滞区間をようやくのことで通り過ぎ、いよいよ箱根の山道。以前、ここでいい印象が持てなかったのだが、さすがに今回は違った。名誉は大いに挽回した、と言っていいだろう。僕たちがベストスポーツカーとした12Cに比べると若干重量感のあるものを振り回しているような感覚もあるけれど、ロングツアラーとしての性格を考えるなら、トレードオフでも充分におつりが来る。まあ、当時の番組でのコメントは勘弁してください、とこのクルマに謝りたい。それよりなにより、直前の路面まで見えるフロントスクリーンをはじめとする絶妙なグラスエリアの切り取り方はスポーツドライビングを華やかにする。ガラスルーフのせいで、ふと空を見上げ、季節を感じることだってできる。風流、なんて言葉が案外似合う。

結構渋滞していたのに、気がついたらあっという間に彫刻の森美術館に着いていた。こういう感覚は、自分とクルマとの距離感を計る物差しとしてとても大事だと思う。僕はこのGTをかなり気に入ったらしい。いったんクルマを降り、スタッフに館内への移動をお願いする。

元来カメラ好きだった松任谷正隆さんは、ここ数年活発に写真撮影を楽しんでいる。今回の撮影旅はそんな彼の提案だった。

CG OBの自動車写真家、小林稔さん(左)の助言を受けながら撮影に臨む。天候に恵まれた絶好の撮影日和だった。(JK)

親しくなったからこそ見える顔

McLAREN GT
全長×全幅×全高:4685×1925×1215mm
車重:1530kg
エンジン:3994cc V型8気筒 DOHCターボ
最高出力:456kW(620ps)/7500rpm
最大トルク:630Nm(64.2kgm)/5500〜6500rpm
車両本体価格:2695万円

稔さんはあらかじめ撮影ポイントを決めてあったのか、良さそうなポイントはあっさりと決まる。さて、これからですよ。僕は道中を思い出す。いろいろと感じたことを一枚の写真の中に収めるのだ。生意気なようだが、写真ってそういうものでしょう。偶然を手中に収める、なんて言葉もあるけれど、僕は自分の経験した感覚をなにか形に残したい。メッセージにしたい。写真ならどうすればいいのか。

稔さんはさかんに光のことを気にしている。つまり、日が当たっているところと影になっているところのコントラストが強すぎないか、というのである。それとマンホールの蓋も気になるようだ。なるほどね。マンホールの蓋も一枚の写真に収まるとメッセージを発してしまうことがあるらしい。ふと陽が陰った。雲がかかったのだ。今だ!と思いカメラを手に取るも、レンズが違う。急いで交換……。そうこうしているうちにまた陽が差してしまう。時間との闘いだな、と思った。光に対するアドリブ力と時間に対する粘り強さ、それともちろん知識。ここら辺が僕には圧倒的に足りない。ただ、ファインダーに収める瞬間に、これだ! と思えることがあるのが一筋の望みだ。

この撮影でその瞬間は何回かあった。その中には我が家のガレージの中で妄想した、リアウィンドーに映る彫刻、なんてのもあったが、このクルマが一番素敵に見える角度も発見できたのが嬉しかった。それはなんてことない、斜め前方から人の目線の高さで見るアングルで、僕の想像とは違っていたことに自分で驚いた。想像ではドライバーの目線の高さこそが美しく見えるに違いない、と考えていたのに。

それでは今回の撮影はうまくいったのだろうか。答えはなかなか難しい。クルマを撮影するためにはまず、そのクルマにあった場所を選ばなければならない。そういう意味では成功したと思う。彫刻の森美術館は現代的であり、そして自然の中に調和している。こけおどし的なギミックもない。そして適度な歴史もある。マクラーレンにはピッタリだ。稔さんはどんな写真を撮ったのだろうか。そしてそれはどんなメッセージを残しているのだろうか。いやいや、そんなものは僕にはないですよ、なんて彼は言うだろう。でも写真には必ず何かが残ってしまう。被写体を通してカメラを向ける人間の何かが。彼の写真と比べれば力の差は明白である。ぎゃふんと言うのは間違いなく僕だ。

クルマはドライバーにいい顔も悪い顔も見せる。好き、と言われたり、嫌い、と言われたり。そのたびにこちらも一喜一憂。ふとマクラーレンGTは人見知りなクルマかもしれない、と思った。親しくなれた人間にしか分からない顔があるのだ。今回の小さな旅でそれが分かった。距離を一挙に縮められた気がする。それが叶ったことが最大の収穫である。

松任谷正隆と加藤哲也がマクラーレンGTを語る

MP4-12Cの衝撃から、GTの存在意義まで

加藤 マクラーレンがMP4-12Cで本格的にロードカー市場に参入したのが2011年ですから、F1の実績はあるにせよ、わずか10年で現在の地位を築いたわけです。松任谷さんは10年前、MP4-12Cが出た時にどうお感じになりました?

松任谷 僕がよく覚えているのは、カーグラフィックTVで、加藤さんが試乗したばかりのMP4-12Cの印象を語る回です。

加藤 ああ、海外試乗会の後ですね。

松任谷 そうです。その時、加藤さんはMP4-12Cについて、エモーションを前面に出すのではないクールなクルマ、というニュアンスで語ったんですね。その発言を聞いて、本物なんだろうな、と思ったことを覚えています。

加藤 F1の最前線で戦うレーシングチームが本気でロードカーを作ると、最初からこのレベルのクルマが作れるというのは驚きでしたね。彼らはドライバー・エンゲージメントという言葉をよく使うんですけど、確かにエンゲージがものすごく強くて、自動車が発するメッセージがダイレクトにドライバーに伝わるという強烈な印象がありました。

松任谷 僕がインタビュアーとして加藤さんの発言で感じたのは、限界がつかみやすくて、深いところまで手が届くクルマなんだろうな、ということです。

加藤 まさにその通りで、サーキットで試乗している時に雨が降ってきたんですね。ピットに戻れと言われるかと思ったら、助手席のインストラクターが行ってもいいと。そこで僕はハーフスピンをして、これは回るなって思ったんだけど、立て直すことができた。ドライバーへのフィードバックであったり、ぎりぎりまでコントロールできる能力は本物だな、という印象を受けました。

松任谷 だから演出のないところが本物なんだろうな、と。

加藤 でもエモーショナルじゃないかというとそんなことはなくて、理にかなったクルマ作りをしていて、理にかなっているからこそ追い込んだ時にエモーションが跳ね返ってくる。

松任谷 その後で自分で乗ってみて、これは演出ゼロだと実感しました。この手のスーパースポーツで、演出がないのはすごいなと思いました。あと、異常に乗り心地がよかった。それこそロールス・ロイスとかレンジローバーと比べてみようという話が出たくらいで、シャシー・ファーストですよね。

加藤 シャシー・ファーストでドライバー・ファースト、イギリスのクルマ作りの奥深さを思い知らされました。その後、マクラーレンは「アルティメットシリーズ」「スーパーシリーズ」「スポーツシリーズ」という三本柱でモデルラインナップを拡充していきます。いま思えば、最初にMP4-12Cという「スーパーシリーズ」を出したのは、ここが中心になるからなんでしょうね。次に発表した「アルティメットシリーズ」のP1が、テクノロジーのアイコン、技術のショーケースの役割を果たした。続いて、手が届く「スポーツシリーズ」の570S、540Cを出したわけで、最初からこういうフォーマットで展開する戦略だったことがわかります。

松任谷 僕は、MP4-12Cで完成しているから、これ以上は要らないと思っていたんだけど、でも出してきましたよね。コンベンショナルなサスペンションの「スポーツシリーズ」でもここまでできるんだとか、底力を見せつけられました。

室内はマクラーレンの文法に則りながら、グランドツアラーらしい豪奢な設え。優雅に伸びるリアファストバックの下には420ℓのラゲッジルームも備わっている。余談ながらゴルフクラブやスキーも積める。まさに大人のためのマクラーレン。

加藤 で、今回試乗したマクラーレンGTは、三本柱とは別のカテゴリーの、独立したモデルという位置づけになっています。松任谷さんは最初にGTに乗られた時に、アレ? と感じたそうですね。

松任谷 いままでに乗ったマクラーレンが、ダウンともシンサレートとも違う、最先端素材で仕立てた軽い軽いコートだったのに対して、GTはレザーのコートみたいに感じたんですね。一体感みたいなものの、あり方が違うというか。

加藤 でも距離を乗ったり、いろいろなシチュエーションで乗ると、誤解が解けて理解が深まるという。

松任谷 だからレザーなんですね。着込んでいくと、こいつは経年変化しても面白いなと思える。

加藤 そう、だからマクラーレンのDNAみたいなところは変わらないんですね。じゃあGTの存在意義はどこにあるかというと、やはり長い距離をダーッと走ることにあると思う。デビュー当初は荷室にゴルフバッグが入るみたいな記事もあったけれど、マクラーレンに乗る人はゴルフ用のクルマも持っている。やはり松任谷さんがお感じになったように、マクラーレン本来の魅力はそのままに、長距離、長時間、さまざまなコンディションで乗った時に味わい深く感じる、グランドツアラーとしてのセッティングになっていることが、このクルマの最大の魅力だと思います。

words : 松任谷正隆
photos : 小林稔、加藤純也(JK)

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