McLaren Experience
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未体験の衝撃「ARTURA」

POST : 2021.3.29

マクラーレンから発表されたアルトゥーラは、次世代のマクラーレンの中心となるハイブリッド・スーパースポーツだ。

V6エンジン+モーターで680㎰/720Nmを実現し、30㎞のEV走行が可能なバッテリーを搭載しながら1.5tを切る重量を実現している。GENROQは、いち早くアルトゥーラを撮影する機会を得た。新時代マシンの詳細に迫ろう。

スーパースポーツの今後の姿をいち早く具現化した存在だ。

マクラーレンが次期主力モデルをハイブリッドにする、という噂は以前から伝わってきていたが、その全貌がついに明らかになった。過去にもマクラーレンはP1でハイブリッドスーパーカーを発売したが、あくまでも限定生産の特別なモデルだった。今回登場したアルトゥーラは従来のスポーツシリーズに取って代わる存在であり、同社の主力となる位置づけである。ラインナップの主力モデルをハイブリッド化するのは、スーパースポーツカーブランドとしては初めてのこと。アルトゥーラはマクラーレンだけでなく、スーパースポーツの今後の姿をいち早く具現した存在なのだ。

テールライトはGTと同様の横一線のデザイン。カーボン製のバンパーと大型のリヤディフューザーを備える。ディフューザーの隙間からEデフが見える。

エンジンとモーター、そして大容量のバッテリーや制御システムを搭載しなくてはいけないハイブリッドは、純エンジン車とはパッケージングが大いに異なる。それだけに、アルトゥーラではまずそのスタイリングが従来のマクラーレンとどれくらい異なるのかに注目をしていた。しかし、いざ目の前に現れたアルトゥーラは、570Sや720Sといった今までのマクラーレンの流れを完全に受け継いでいた。いや、それどころかダイナミックで引き締まったボディは、複雑でかさばるパワーユニットを搭載しているとは思えないほど美しい。この姿を実現するために、マクラーレンのエンジニアたちは多くの手間と時間を費やしたことだろう。アルトゥーラの開発にあたり、マクラーレンはすべてをゼロから始めたという。その基本はやはりカーボンファイバー・モノコックだ。ハイブリッドユニットのために新開発されたこれはバッテリーパック用のセーフティセルが備わり、重量わずか82㎏。

これにアルミニウム製のクラッシュビームとリヤサブフレームが装着され、軽量と高剛性、そして安全性を高いレベルで実現している。エンジンは新開発のV6を採用し、従来のV8よりも50㎏軽く、そして全長を190㎜短くすることに成功した。3ℓの排気量にツインターボで加給し、パワーは585㎰、585Nmを発揮。もちろんドライサンプで重心も低く抑えられている。新開発8速DCTとの間に搭載されるモーターは95㎰、225Nmで、トータルでの出力は680㎰、720Nm。これはスーパーシリーズの720Sに迫る数字であり、しかも中低速域をモーターが効率的に補うことで、かつてないほど全域での速さを実現したという。

乗員の背後に搭載されるリチウムイオンバッテリーは7・4kWhで、最大30㎞までのEV走行が可能。家庭でも充電できるので、ウィークデイの街中での使用は電気のみで行うことも可能だろう。また都市部でのEV走行に備えて、走行中にエンジンからバッテリーに優先充電を行っておくことも可能だ。これらハイブリッドのシステム全体の総重量は130㎏となるが、カーボンモノコックやエンジンの軽量化との相殺で車両重量は1498㎏に押さえられた。これは従来のモデルとほぼ変わらないレベルで、結果として0→100㎞/h加速3・0秒を達成。ちなみに停止状態から300㎞/hまでの加速はわずか21・5秒だという。もちろん加速だけでなく、ハンドリング性能も第一級に仕上げられている。チーフエンジニアのジェフ・グローズ氏は「アルトゥーラは妥協を強いることのない、スリリングで魅力的なスーパーカーです。クラストップのドライビング・ダイナミクスと最先端のテクノロジーというポリシーを見事に果たしています」 とアルトゥーラの仕上りに自信を見せる。軽量を社是とするマクラーレンにとって、ハイブリッドという選択肢は大いなるチャレンジであったはず。しかし、彼らは見事にその壁を乗り越えたようだ。18万5500ポンド(約2700万円)という意外に低い価格設定にも、彼らの攻めの姿勢が伺える。

大いなる挑戦であったハイブリッド彼らは見事にその壁を乗り越えた。

マクラーレン Artura

DIMENSIONS : Length4539×Width1913×Height1193mm Wheelbase : 2640mm WEIGHT : 1498kg
ENGINE TYPE : V6 DOHC Twin-turbo DISPLACEMENT : 2993cc
MAX.POWER(ENGINE) : 430kW(585ps)/7500rpm
MAX.TORQUE(ENGINE) : 585Nm(59.7kgm)/2250-7000rpm
MAX.POWER(ELECTRIC MOTOR) : 70kW(95ps)
MAX.TORQUE(ELECTRIC MOTOR) : 225Nm(22.9kgm)
MAX.POWER(TOTAL) : 500kW(680ps)/7500rpm
MAX.TORQUE(TOTAL) : 720Nm(73.4kgm)/2250-7000rpm
TRANSMISSION : 8-Speed DCT DRIVE : RWD SUSPENSION : [F]Double Wishbone [R]Multilink
BLAKE : [F]&[R] Ventilated Disks(Carbon Ceramic) TIRE : [F]235/35ZR19 [R]295/35ZR20
PERFORMANCE : 0-100km/h 3.0sec. Top Speed 330km/h(Electronicallyl Limited)
PRICE : £185,500

GENROQ(ゲンロク) 2021年4月号掲載
REPORT : 永田元輔(NAGATA Gensuke) PHOTO : 篠原晃一(SHINOHARA Koichi)